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読売新聞 ぴーぷる 2002.11.12 〔ひと・人〕

【子育て終えて歌手復帰】
〜アニメソングの草分け 前川陽子〜
声の限り歌いたい

 この人は、東京・目白に住む前川陽子さん。現在40歳代のテレビ世代には「キューティーハニー」「忍者ハットリ君」「魔法使いサリー」「マグマ大使」などテレビ漫画の主題歌を歌ったあの人、と説明した方がわかりやすい。いわば、アニメソング界の草分け的存在だ。

 大阪生まれの前川さんは、サラリーマンだった父親の転勤で佐賀県育ち、小学校5年生の時に東京・練馬に移り住んだ。ダンスミュージックが好きな父親、日本舞踊を習わせる母親ーそんな家庭環境にあったせいか、いつしか東映児童演劇研修所に通って芝居、踊り、コーラスの練習に励むようになっていた。

 中学1年生の時、NHK人形劇「ひょっこりひょうたん島」のオーディションに合格、これがきっかけで子供番組の歌に何度か登場するほどの“売れっ子”に。また、テレビのCMソングの注文まで舞い込み、「子どものくせに明け方まで、あるいは早朝からの仕事で睡眠は4時間程度のこともあった。授業中を除けば、頭の中は音楽だけでした。」と振りかえる前川さん。普通の女の子に戻るために、大学入学後はしばらく音楽と縁の無い空間に浸ることもあった。それでも大学3年の時には、ジャズ風の曲に感動したことから、再び「キューティーハニー」でアニメソングに復帰し、「魔女っ子メグちゃん」「あさりちゃん」などで注目される。

 「25歳で結婚したのを契機に、母親として子どものそばにいてあげたかった。だから仕事を一時休業し、二人の子どもの育児に専念する生活を続けてきました。」そんな前川さんだが、2番目の子どもが大学に入って一段落したのを契機に、「自分の好きな歌の世界にカムバックしたい」と家族に告げた。そして家族の理解を得た今年9月上旬浜離宮朝日ホールで「ひょっこりコンサート2002」を開催。ご自身のファーストアルバム「Cute Jazz 発売記念コンサート」を副題にした。

 「3年前、私のホームページを作ってくれる人がいたり、テレビ番組で私の歌った曲が再放送されるのを見聞きしているうちに、生の歌を聞かせてあげたいと思うようになった。私の歌で悩みを解消してくれたらいいですね。」

 既成概念にとらわれず、自分の思い通りに表現するのが前川さんの理想のスタイルだ。「声の続く限り好きなだけ歌い、日本中を回りたい。」輝くひとみは、童心に返った時のそれと同じようだ。

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