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NET 広報課 "只今出演中404" 1967.9.12


素顔の前川陽子

”テマソン・ブーム”の可愛い黒幕?
まんが主題歌は一手引き受け

声の人気者 前川陽子


木曜日の夜、子どもたちはテレビの画面を食い入るようにみつめ、”その瞬間”を待つ。やがてビートのきいたテーマソングが流れるとつぶらな瞳を輝かせながらいっせいに合唱を始める。ヨチヨチ歩きの赤ん坊も首を左右にふりながら踊りだす。ママもニコニコしながら子どもたちと一緒に歌い出す。たのしい一家団らんの一コマ。
”その瞬間”とは、木曜日の午後7時、「忍者ハットリくん+忍者怪獣ジッポウ」(毎週木曜午後7時〜7時30分)の始まる時だ。
まんがの人気もさることながら、子どもたちにとってはそれよりもパンチのあるユーモラスなテーマソングがなによりの魅力なのだ。子どもたちの不思議な魔法?をかけ、”声”だけで人気をさらっているのがテマソン歌手の前川陽子さん。
いまやまんが映画のテーマソングは子どもたちの流行歌的存在となり人気の的。担当者のデスクには、テーマソングを歌っているお姉さんを画面に登場させて欲しいという無理な注文が殺到しているほどだ。そこで、いままで縁の下の力持ちだったテーマソング歌手のエースともいえる彼女に登場ねがった。
「テマソン歌手?!・・・そういえばあたしテーマソングのお仕事が多いわ」。ちなみに現在放送されている彼女のテーマソング番組を列記すると、「忍者ハットリくん+忍者怪獣ジッポウ」をはじめ、「魔法使いサリー」、「ピュンピュン丸」(NET)、「ひょっこりひょうたん島」(NHK)、「リボンの騎士」、「悟空の大冒険」(フジテレビ)など。なんと月曜日から日曜日まで休みなく彼女のテマソン番組が放送されているわけ。吉川プロデューサー(NET)は「まんが映画はテーマソングが良くないとヒットしません。内容よりも歌が勝負といってもいいくらいです。前川さんとは前作の”忍者ハットリくん”以来のおつきあいですが、身体ぜんたいで歌うパンチとリズム感が素晴らしい」と起用の弁を語る。

☆テレビの画面に出ないいわば覆面スターの彼女の魅力を、彼女の育ての親で作曲家の小川寛興氏は「清潔な明るい声と、パンチがテーマソングの歌手としてうけているのでしょう。また彼女はラリロレロがちょっと舌足らずなんです。その点がかえって子どもたちにうけている要素かもしれませんね。ジャズ的な歌い方とそのリズム感は天性のものです」と絶賛し、「テーマソングやコマーシャルの歌が多いからといって、それでつぶれる様な歌手ではありません。大人の歌も唄え、ミュージカルもやれる素質を充分にもっていますよ。」と太鼓判をおしている。
テレビまんが映画のテーマソングを一人じめしている彼女は、赤ん坊のときからオルゴールよりもジャズが好きでお母さんを困らせたという。そして3才のとき、町の演芸会に飛び入り出演し、あっぱれな初舞台を飾ったというエピソードがある。その時の歌が江利チエミの”ガイ・イズ・ア・ガイ”。三つ子の魂百までの諺どうり、目下ボーイフレンドなんか眼中になく、レコードを聞いたり、ギターを鳴らしたりして歌に明け暮れている。将来の希望はと聞くと、「チエミちゃんかな?いずみちゃん?いや、やっぱり陽子自身ネ」と答えるお茶目な現代っ子。

☆芸歴も一風変わっている。3才の初舞台?がきっかけで芸能界に興味を持ち、5才のとき藤間流に入門。その後父の転勤で東京に移、12才で東映児童演劇研修所に入る。研修所のコーラスグループで歌っているとき、「ひょっこりひょうたん島」(NHK)のテーマソング歌手に抜擢される。その後「忍者ハットリくん」(NET)のテーマソングを吹き込み、テマソン歌手のスターとなる。現在は「恋いはリズムにのせて」のポピュラーから、「わかれ」「アルディラ」のカンツォーネ、「テネシーワルツ」「スワニー」などのジャズなどはばひろく、大人の歌、恋の歌を勉強中。


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