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「カルビー社内報」

「カルビー社内報」
1993年11月・P15 「編集後記」
かっぱえびせんが絶好調だ。売れはじめたらとまらない!?
先日、「徹子の部屋」に「やめられない、とまらない...」のCMソングを歌つた前川陽子さんが出演、ひとしきり、かっぱえびせんが話題になっていた。発売されて来年で30年。ロングラン商品だけど、本当に鮮度のいい海老が入っていることを知っている人は少ない。そこで、えびせんのPRビデオを作りました。

1994年1月・P12 「世相見聞録」
「やめられないとまらない♪」のCFソングを歌ったのは中学3年生の時でした。

「変な声の子がいる」とオーディションを受け『ひょうたん島』の主題歌を歌うことに・・・・

前川さんが歌の世界に入ったきっかけは、昭和39年『ひょうっこりひょうたん島』の主題歌。「所属していた劇団(東映児童演劇研修所)にコーラス部ができたので、たまたま入部しました。そこの指導者が『声の変わった子がいる』と作曲家の宇野誠一郎先生に私を紹介して下さって、『ひょうたん島』のオーディションを受けに行くことのなったんです」。
音楽のレッスンを受けていないし、譜面も読めなかったので、「絶対に受からないだろうなあ」と思ったが合格し、『ひょうたん島』の主題歌を歌うことになった。放映直後から番組は爆発的に人気がでた。「こんなに人気が出るとはNHK側は予想していなかったようです。内容・主題歌共にこれまでの子供番組の流れを変えた番組です」。
NHKの上層部には、『前例がない』前川さんの歌い方に驚いた人もいたが、番組人気と合わせて主題歌も大ヒット。これをきっかけに次々と仕事の依頼がくるようになった。
「カルビーのCFの仕事も『ひょうたん島』がきっかけです。『やめられない、とまらない〜♪』はメロディーも言葉の繰り返しも面白いし、くどくない。『後を引く味ですよ』ということを端的に表現したいい曲ですね」と前川さん。「普通の歌は3分なり5分でメッセージが伝えられるけど、CFは数十秒の世界。印象的な声と歌い方とメロディーとがぶつからないと、みなさんの耳には残りません。CFソングの仕事は難しいけど、音楽のよい勉強になりました」。『ひょうたん島』以来仕事が殺到し、中学〜高校時代は依頼のあった仕事を消化するのに必死だった。忙しくて、音楽の勉強に当てる時間もなかった。「譜面も読めず、ピアノの音を聞いてその通りに歌っていました」。


サラボーンのように話す言葉がそのまま歌になるような歌手になりたいと・・・

大学入学と同時に、音楽活動を突然休止する。「兄達から『食事の味もわからないだろう』といわれるほど毎日仕事に追われており、生活に余裕がなかったからです。音楽の基礎の勉強ができていないことで、常に劣等感を感じていましたし」。2年間は、普通の女の子がするような当たり前のことをしたり、友達と過ごす時間を多くした。

「私はジャズが好きで、本当はジャズが歌いたかったんです。それなのに、自分のやりたいことと要求されることが常に違っていました。それでも、受けた仕事は全部一生懸命やっていました。2年間仕事を休んで、やはり私にはジャズの歌い方がいちばん楽で、サラボーンのように話す言葉がそのまま歌になるような歌手になりたいと思いました」。
歌の仕事をやりたいと思い始めた頃に『そろそろ仕事しないか』と連絡があった。「その曲はちょっと変わっているので、歌える人がいなかったのです」。それが、『キューティーハニー』。「この曲を歌って、ジャズに対するこだわりがふっきれました。子供の歌、大人の曲と今まで何にこだわっていたんだろうと。素晴らしい曲にめぐり合えて、また仕事を始めることができたのです。その後も『おんぶおばけ』のような子供っぽい歌を要求されることが多かったですが、楽しみながら仕事ができるようになりました」。結婚、出産後もしばらく仕事を続けるが、夫の開業などでほかの仕事が忙しくなると、自然と仕事を断るようになった。
「何度も引越しをしたり、マネージャーをつけてなかったので『前川さんは亡くなったのでは?』という噂も出たようです。先日『徹子の部屋』で久しぶりにアニメソングを歌って、子供に『お母さん、すごい』と見直されたんですよ。番組出演をきっかけに懐かしい人とも連絡がとれましたし、来年はデビュー30周年なのでジャズやディナーショーのような仕事も手がけたいと思います。かっぱえびせんも来年30周年と聞いて、何か縁を感じますね」と、今後の抱負を語ってくれた。



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